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2010年度八王子市予算編成に関する重点要望及び緊急要望

八王子市長 黒須 隆一 殿
2009年10月23日
日本共産党八王子市議会議員団
市議会議員 山口 和男
同    山越 拓児
同    松本 良子
同    鈴木 勇次
同    狩野 宏子
 経済情勢が厳しさを増す中、貴職をはじめ職員の皆様が日夜ご努力されていることに心から敬意を表します。
 増税と負担増、社会保障費の削減、深刻な雇用破壊などに対して国民の怒りが沸騰し、自民・公明政権は、8月の総選挙で退場の審判を受けました。
 この間、貧困と格差の広がりが深刻な社会問題となっています。非正規雇用の拡大や社会保障の改悪により、現状がセーフティネット・クライシスと指摘されるほどです。自殺者の激増や異常犯罪の発生、精神疾患の多発など病理現象も激しく、社会の安心と安全が大もとから掘り崩されております。こうしたもとで、市民のくらしを支える地方自治体の役割はいっそう重要です。
 昨年の予算編成に際して要望した、介護保険料の引き下げや国保資格証の記載の改善、小規模工事契約希望者登録制度などが具体化されたことに感謝申し上げます。
 来年度の予算の編成にあたり特に重要と考える要望と今年度中に具体化すべき緊急要望とあわせ、以下の通りまとめましたので、新年度予算並びに今後の市政運営に反映していただけますよう、よろしくお願いいたします。
 大幅な市税収入の減少が見込まれ、新たな財政危機というべき事態ではありますが、これまでの財政再建の成果を生かし、職員一丸となって乗り越えていただくことを期待いたします。
【重点要望】
1、  直近(8月)のハローワーク八王子管内の有効求人倍率は0.20となり、7月の0.24をさらに下回って雇用環境は引き続き、きわめて厳しい状況です。求人数の比較的多い医療・介護関連分野での求職求人のマッチングや人材確保のため事業者への助成制度を構築するなどの取り組みを行うこと。緊急雇用対策本部を継続し、本市独自施策である雇用維持奨励金を継続・拡充すること。若年者の就業促進のための雇用奨励金について、補助額を従前の10万円に引き上げること。
2、  非正規雇用の増大が「格差と貧困」を生み出す大きな原因となり、深刻な社会問題となる中、公務の分野でも不安定雇用が拡大し、官製ワーキングプアという実態も指摘されています。本市でもこの10年間で正規の一般職員が3669人から2985人と684人も減る一方、嘱託員や臨時職員などの非正職員は、803人から1558人と755人も増加しています。雇用のあり方は、日本社会のあり方にもかかわる重大問題としてとらえ、今後は正規職員の確保・拡大へ政策の転換を図ること。
3、  生活保護受給世帯の増加、納税義務者一人当たりの給与収入の減少など、市民生活はさらに深刻となっています。この間の努力を継続し、国民健康保険税(介護分を含む)、保育料、下水道料金、公共施設使用料など公共料金の値上げを行わないこと
4、  2009年度からの第4期介護保険事業計画では、保険料段階を8から11へ細分化するともに、積立金を活用し保険料の引き下げがおこなわれました。しかし、引き下げ幅は第2、第3段階でそれぞれ月額59円、75円という低い水準にとどまっています。08年度の収入率は引き続き第2、第3段階では8割を切っています。介護保険料は2年間滞納すると、利用時に本来1割負担が3割負担となりますが、08年度、すでに42人がそうした状況になっています。低所得者対策として市独自の保険料・利用料の減免制度を設けること。介護施設の食費・居住費の自己負担軽減策を実施すること。
5、  特別養護老人ホームの本市の待機者は2007年度1252人です。重度の方は200人を超えています。ところが、第4期介護保険事業計画では「小規模特別養護老人ホーム1 か所の整備により、待機者の解消を図り、定員30 人以上の広域型の特別養護老人ホームについては、市内での計画的な新規整備目標は設定しません」としています。小規模特別養護老人ホームの定員は、29人以下となっており、とても待機者の増加に追いつきません。横浜市では2003年度から「待機者ゼロ作戦」を始め、04年度から2年間で22施設を新設し、現在も年間900床の整備を続けています。本市でも待機者ゼロを目指し、特別養護老人ホーム増設を盛り込んだ対策を行なうこと。
6、  昨年4月から実施された後期高齢者医療制度は、怒りの声や問い合わせが市にも殺到し、その数は9月までに24,000件以上となり、撤回を求める声がいっそう強まっています。世論を受けて参議院では、同制度を廃止する法律が可決され、新政権は後期高齢者医療制度の廃止を明言しています。しかし、新しい制度への移行に時間がかかるとして廃止の時期が明らかになっていません。このままでは来年度からの保険料の値上げが必至です。実施以前の老人保健制度へいったん戻し、すみやかに後期高齢者医療制度を廃止するよう強く国に求めること。
7、  保育所の待機児がさらに増加し、本年4月1日時点で昨年より122人多い453人となっています。世田谷区の613人、板橋区の481人に次ぐ都内3番目の多さです。本市の待機児は10月1日には1090人(旧定義)にのぼり、不況が深刻化する中で今後一層の入所希望者が増加することが見込まれます。雇用問題と同じ背景の中で生まれている切実な問題であり、優先度の高い課題として認可保育所の増設など積極的に取り組むこと。本市の公立保育園の定数は、開設当初の定数より186人少なく、老朽化した保育園も多く改築も必要です。公立保育園でも待機児の解消をすすめること。
8、  貧困の広がりは、子どもの健康を脅かし学力の低下や児童虐待などを生む要因のひとつにもなっています。すべての子ども達が修学旅行や移動教室に参加することや、卒業アルバムを申し込むための就学援助について、準要保護の認定基準が1.3倍から1.1倍に引き下げられて以来、5年間で認定率は小学校で1.05ポイント、中学校では0.61ポイントも下がりました。国立市や国分寺市では基準額の1.5倍で対応しています。本来無償の義務教育の観点からして、基準倍率の引き上げを行なうこと。
9、  市民の長年の願いであった中学校給食が全中学校一斉に今年度から始まりました。7月に行なったアンケートでは、給食を食べた中学生(約半数)の41%がおいしくないと回答し、そのうち82%の生徒はおかずが冷たいと答えています。市教委にも開始直後からこうした声が届き、おかずの温度を上げるなど改善してきたといいますが、9月、10月も喫食率が下がっています。本市と同様のデリバリーランチ方式で実施している東久留米市や立川市では60%台の喫食率になっています。他市での給食の実態を把握して温かくておいしい給食へと改善に努めること。また、調布市などで行なっている親子方式についても早い時期に実施を検討し、導入すること。
10、  小中学校の耐震化工事は2012年までに完了させるとしてきましたが、09年度末でも校舎24校、体育館69校が残り、特に体育館は、計画通りの完了が難しいことが明らかにされました。学校体育館は、子どもたちと地域住民の避難所にもなっています。命にかかわり、急がなければならない課題として早期の完了をめざし全力をあげること。
11、  今年度実施の雇用維持奨励金は、使いやすい制度として市内中小業者の利用も高く6月の第2回定例議会で補正予算を組むほどでした。また、昨年要望した小規模工事契約希望者登録制度は、来年度小規模工事等見積参加登録制度として実現することになりました。さらに、中小業者の仕事確保のため、住宅リフォーム助成(エコ住宅リフォーム助成、高齢者や障害者のためのバリアフリー・リフォーム助成を含む)を実施し、耐震補強工事助成を拡充すること。建設労働者退職金共済制度が適正に実施されるよう入札及び契約の事務改善を行なうこと。公共事業現場で働く建設労働者や下請け事業者の労働条件の改善や権利を保障するために、千葉県野田市の例にも学び、公契約条例を制定すること。
12、  地場産農産物の直売事業として道の駅八王子滝山は大きな成果を収めています。事業の収益金については、農業振興に使うこと。直売施設を増設すること。また、獣害被害が新たな広がりを示すなか、対策として効果の大きい電気柵の設置について、都の補助基準に満たない小規模の電気柵購入費用に対して補助を行なうこと。
13、  食の循環モデル事業がみなみ野君田小学校で始まり、家庭で使う生ごみ処理機購入助成、バイオガス化研究事業など、生ごみ減量の努力がすすめられています。しかし、家庭系可燃ごみに占める生ごみの割合は、依然40%を越える大きな割合となっております。プラスチックごみの減量にめどがついた今日、生ごみの減量は、ごみ減量に残されたもっとも大きな課題です。黒須市政の下で減量を仕上げるために、家庭生ごみ処理機の普及にいっそう力を入れ、農業者との連携をすすめ、堆肥化センターの整備をするなど、生ごみの堆肥化、資源化など総合的な対策をつくりあげること。
14、  新政権の大型公共事業の見直し、道路特定財源の廃止などの方針によって、本市の計画も大きな影響は避けられません。川口物流拠点構想や北西部幹線道路計画への引き続く税金投入は直ちにやめ、これらの計画を中止すること。
15、  行財政改革の問題の一つとして、地域サービスのあり方検討委員会が、市内を6地域に分け、各1か所ずつの地域総合事務所を整備し、他の市民部事務所については転用するとの提言をまとめてから1年9ヶ月がたちました。決算審議の中で、今後の方針については「中央地域総合事務所の実績を検証して検討する」とのことでしたが、事務所の歴史的経緯を踏まえ、地域住民の合意なしに事務所の統廃合を強行しないこと。
 八王子市職員等の旅費に関する条例について、理事者等に認められている特別車両料金(グリーン料金、議員にも適用)の規定を今日の情勢から廃止すること。
【緊急要望】
1、  雇用危機が、深刻の度を増しています。今年の年末には雇用保険が切れる人が続出し、昨年以上に深刻な事態も予想されています。現在仕事を失っている人への生活と雇用の支援は急務中の急務です。政府に対し、失業給付の延長、中小企業緊急雇用安定助成金申請手続きの簡素化と事務処理の迅速化、適用期間の延長などを求めること。東京都に対し、生活安定化総合対策事業について、利用しやすいよう要件を緩和し、必要な予算の増額を求めること。年末年始も生活保護を受付けるなど緊急の相談に対応できる体制をとること
2、  市の環境基本計画の策定が進められる中、新政権は地球温暖化対策について、温室効果ガスを2020年までに25%削減(1990年比)する方針を明らかにしました。IPCC(気候変動に関する政府間パネル)は90年比25%から40%の削減を提唱しています。八王子市の地球温暖化対策推進計画の素案では、2000年比で2019年までにCO2総排出量を18%削減することを目標としていますが、京都議定書に立ち返り、新政権の目標水準と整合性ある計画として仕上げるよう早急に検討すること。