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2013年度八王子市予算編成に関する要望書

八王子市長 石森 孝志 殿
2010年11月16日
日本共産党八王子市議会議員団
市議会議員  山越 拓児
同    山口 和男
 同    松本 良子
 同    鈴木 勇次
 同    青柳有希子
 貴職をはじめ職員の皆様のご努力に敬意を表します。
 日本は、深刻なデフレ不況に見舞われています。内閣府が公表した7〜9月期の国内総生産(GDP)速報値では、物価変動の影響を除いた実質成長率は平均で前期比0.9%減、年率換算3.5%減と3四半期ぶりのマイナス成長となりました。7〜9月期は「景気が後退局面に入っていることを確認する内容」となっています。
 雇用者報酬は、1997年の総額280兆円をピークに減り続け、2010年には250兆円以下となって30兆円以上も減り、GDPは520兆円から480兆円へと40兆円減っています。
 生活保護受給者数は全国で212万4669人となり、過去最高を更新しています。受給者増加の主な原因が高齢化社会の進展と雇用破壊にあることは、統計上疑いありません。一方で、大企業の内部留保は140兆円から260兆円に120兆円も増えており、社会の富が偏在していることが問題です。貧困と格差の克服こそ、政治の責任であり、今日の地方自治体の果たすべき役割です。
 市長は、繰り返し「多摩のリーディングシティをめざす」と発言してこられました。市民の暮らしを守り支えることで「多摩のリーディングシティ」を実現していただきたいと思います。
 新年度の予算編成にあたり特に重要と考える点をまとめました。新年度予算並びに今後の市政運営に反映していただくよう、よろしくお願いいたします。
 
【重点要望】
1、 2014年4月から消費税を8%にし、翌年10月には10%に引き上げる消費税法案が可決されましたが、世論調査では92%が「増税が暮らしに影響する」と答え(「毎日」)、8月に発表された帝国データバンクの調査では、税率引き上げ後に「国内消費が縮小する」と考えている企業は9割近くに上っています。消費税増税の実施中止を求める声を自治体からも挙げること。現在、電機・情報産業を中心に行われている大量解雇・リストラを政治の責任で食い止めるよう国に求めること。
 
2、 市民の暮らしへの負担をこれ以上増やさないために国保税、保育料、下水道料金、公共施設使用料など公共料金の値上げを行わないこと。
 
3、 学生、高校生に"氷河期の再来"という深刻な就職難が襲いかかっています。何十社を受けても就職先が見つからないという事態も少なくありません。就職活動のなかで青年が傷つけられ、就職した後もサービス残業や長時間過密労働で心を病む青年も増えています。また、親世代の貧困が青年にも引きつがれ、なかなか抜け出せない現状もあります。若者サポートステーションは、そうした青年の相談場所として全国各地で成果を上げており、本市でも昨年度は国に対して事業所の推薦をして名乗りをあげたところです。引き続き若者サポートステーションの誘致とともに、青年の雇用支援に取り組むこと。
 
4、 八王子市民13万人の避難生活が想定された多摩直下型地震、4000か所を超す土砂災害危険個所、4万人を超す災害時要援護者――今日、東日本大震災や集中豪雨による土砂災害により、防災対策が行政の優先課題としてクローズアップされています。こうした事態に対応するため体制を見直し、抜本的に強化すること。新たな地域防災計画にそって、適切な予算措置を行うこと。家具転倒防止器具の普及に向けた啓発とともに、購入費用の助成制度を設けること。被災地の復興支援に向けて、特定の自治体との連携協定を結び、手厚い支援を行うこと。
 
5、 孤独死数が増加していることから、宅配業者やライフライン関係事業者などとの協定を結ぶとともに、現在地域包括支援センターに委託している高齢者見守りネットワークについて、市の責任で体制強化を図り充実させ、孤独死ゼロをめざすこと。第5期介護保険事業計画に盛り込まれた特別養護老人ホームの増設について、すみやかに具体化し待機者ゼロをめざすこと。介護報酬改定に伴う訪問介護の生活援助の時間短縮や同居家族がいる場合の生活援助利用制限が行われている。必要な介護が受けられないことがないよう、介護事業者に指導を徹底するとともに、介護報酬の見直しを国に求めること。
 
6、 本市の保育所待機児は、この間定員増の努力を反映し、前年度比で98人の減少となったものの、本年4月1日時点で375人にも上っており、全国でワースト15位という状況であり、いっそうの努力が求められています。保育園不足地域で認可保育所を募集するとともに、市立保育園の増改築、新設など、認可保育園を中心とした保育定員の拡大を行うこと。
 
7、 就学援助について、平成23年度決算で認定率は、小学校で16.79%、中学校で20.93%となり、いずれも前年度を上回りました。就学援助の申請漏れがないよう教育現場での丁寧な対応を行うこと。無償で受けられる義務教育を保障する点から認定基準を現行の生活保護基準の1.1倍から1.3倍に引き上げること。就学援助事業の対象項目にクラブ活動費、生徒会費、PTA会費を追加すること。
 
8、 中学校給食は汁物の提供や生徒保護者への試食会などを実施して改善の努力が行われ、喫食率がわずかながら上向きになっているものの、残念ながら20%前後を推移している。一方、加住中(93.3%)や館中(98.2%)、三中(89.2%)では親子方式により、高い喫食率となっている。新年度から川口中学校で親子方式のモデル実施が行われることになっているが、「温かい給食」が人生で最も成長の大きい中学生の願いであることはすでに明らかです。モデル実施にとどまらず、早期に全中学校の親子方式(あるいは自校方式)による温かい給食を実施すること。
 
9、 都内のほとんどの自治体が司書配置を行い、子どもの読書活動、調べ学習等その成果の大きいことが明らかになっている学校図書館の司書配置について、国は2012年度から地方交付税による財政措置を講じており、法制化の動きも見せるなど司書配置のうねりが高まっています。本市は、2人の学校図書館サポーターの巡回と、今年9月から6人の読書推進担当サポーターを中学校に派遣し、1〜2校の小学校とともに担当しています。着任した小中学校では大変喜ばれており、専任司書の配置が強く求められています。全小中学校の図書館に専任の司書を順次配置すること。
 
10、 市民の要求に合致した居住環境整備助成事業は、加齢対応・バリアフリー化改修工事、省エネルギー化・長寿命化改修工事については、年度途中で終了することのないように予算を拡充し、耐震化工事については部分改修についても対象工事に加え、より使いやすく改善し更なる充実を図ること。住宅リフォーム助成、分譲マンション耐震化助成制度を創設すること。公契約条例について、本市ではこれまでの庁内での検討会から、外部委員を加えた検討が始まりました。多摩市や相模原市など近隣市でも制定しており、本市でも効果的な条例となるよう検討を進め、公契約工事の適正化、並びに下請け労働者の賃金等労働条件改善のため、すみやかな条例制定を行うこと。
 
11、 福島第一原子力発電所事故以来、原発の異質の危険性があきらかになりました。原発に頼らないためにも地球温暖化防止のためにも再生可能エネルギーの活用・普及が急務となっています。この間、市では小中学校20校で太陽光パネルが設置され、その一部の電気を小中学校でも使う取り組みを始めるとのことですが、さらに公共施設での再生可能エネルギーの普及をはかるとともに、市内の資源で生み出す再生可能エネルギーの利益は、市民が享受できるようなシステムを市民参加型で構築すること。放射能への不安も大きなものがあります。市内で1300箇所以上の測定を行っている市民団体によると、排水溝が整っていない地域の空間放射線量が日に日に上っていると指摘しており、市として民有地の除染にも踏み出し費用は東京電力に請求すること。3台ある放射能測定器の市民への貸し出しのシステムもつくり、測定器の活用を図ること。
 
12、 ごみ処理基本計画の見直しにおいて、「埋め立てゼロ」という大胆な目標を掲げました。容器包装プラスチックの資源回収の拡大など、この間の取り組みで家庭ごみは大幅に減量となっており、最大の課題となった生ごみについては2年間のモデル事業を実施してきました。モデル事業に参加した家庭で可燃ごみの内訳を量ったところ約8割が生ごみだったと報告されており、生ごみの資源回収が行われれば、目標とする埋め立てゼロにも大きく貢献することになります。モデル事業の拡大とともに、本格実施に向けた取り組みを推進すること。
 
13、 川町地区におけるスポーツパーク計画は、60万m3の土砂を積み上げる市内最大規模の残土事業であり、大沢川の源流域の保全された豊かなみどりを破壊するものです。また八王子城跡と小田野城をつなぐ古道や、貴重な城跡の遺構への影響も懸念されます。市街化調整区域のみどりを守る基本方針にのっとり、事業者には計画の中止を求めること。
 
14、 八王子駅南口の再開発事業では、国の補助金交付要綱を逸脱した使用が明らかとなりました。「攻めのまちづくり」を標榜しての大型公共事業は市財政への影響が大きく慎重であるべきです。八王子駅北口のペデストリアンデッキ延伸の全体計画は税金の無駄遣いであり中止すべきです。川口地区における物流拠点事業は、八王子市住宅・都市整備公社の資産を貸す方法で運用していますが、返済期限も、利息の定めもない金銭消費貸借となっています。こうした進め方は直ちに止めるべきであり、見通しのない事業は中止すること。財政的負担が大きく、構造上問題のある北西部幹線道路計画は大幅に見直すこと。
 
15、 平成25年度の予算編成方針によれば「新基本計画(案)を想定して、25年度から27年度の収支を見込んだところ、一般財源ベースの結果は、25年度は収支不足が161億円、26年度180億円、27年度204億円と歳入歳出の乖離は広がっている」と述べ、「長期的な視点に立った新たな財政規律が必要である」として、「財政健全化法に基づく“将来負担比率”を新基本計画(案)の計画期間でゼロ%を目指す」としています。新たな財政規律をどうするかは、今後の市政運営の骨格をなすものであり、市議会を含め十分議論を行い決定すべきものと考えます。「将来負担比率」は、それを決める要因が様々あり、きわめてわかりにくい面をもっています。市民にわかりやすい財政規律を基本計画の中で定めることを強く求めます。